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人口減少に対応する自治体改革のあり方を2年にわたって議論してきた。市町村が反対した「圏域」構想と、議会改革案は盛り込まなかった。
地方から安堵(あんど)の声が漏れる。喜んではいられない。自治体運営の維持も、議員のなり手不足も、地域で工夫して克服せよ―。主要な改革案の見送りは、そんなメッセージとも受け取れる。
「圏域」は、一帯の市町村の権限と財源を新たに行政主体とする圏域に集める構想で、総務省の研究会が提唱した。旧町村の衰退を招いた平成の大合併を想起させ、地方は警戒感を高めていた。
ただ地制調は、賛否両論を併記しつつ、中心市を核とする広域連携の法制化を検討するよう促してもいる。総務省も「断念したわけではない」と強調する。
答申の内容は、そのまま法制度の改定に反映させるのが慣例になっている。合理化の観点で自治体再編が進まないか、国の動きを引き続き注視したい。
議会改革では、少数の専業議員による「集中専門型」、非専業議員で構成する「多数参画型」の導入案を見送った。「議会機能が低下する」との批判が出ていた。
地方が求めた本会議のオンライン開催、閉会中の活動拡大といった案も採用していない。地制調は各地の議会からの発案を生かす、柔軟な法制度の整備を国に迫るべきではないのか。
これまでも政府は、財政支援策で誘導し、定住自立圏や連携中枢都市圏といった自治体運営の広域化を推し進めてきた。負担軽減を名目に、公共サービスの民営化も後押ししており、昨年は水道事業まで対象に含めている。
人口減少への備えは欠かせないものの、合理化や効率化だけが答えではない。
各市町村の専門的分野の職員を集め、共同で育成や技術継承に当たる公公連携、NPOや企業と協働して公共サービスを保つ公民連携を広げる手もある。
周縁部が衰退すると、中心地の活力もそがれる傾向が顕著になっている。小さな自治の取り組みを大事にしながら、県も交えた補完の仕組みを築きたい。
コロナ禍で大都市に人口が集中する弊害が明らかになった。テレワークが普及し、地方への移住を望む人たちが増えている。地域分散型社会の流れを引き寄せる自治制度は、国任せでなく、まずは地方が構想しなくてはならない。
(6月29日)
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June 29, 2020 at 07:20AM
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社説 地調制の答申 もう国任せにはできない - 信濃毎日新聞
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