スウェーデンは新型コロナウイルス感染症(COVID19)の死亡率が世界で最も高い国の1つだが、ロックダウン(都市封鎖)を講じないよう政府に助言してきた疫学者アンデシュ・テグネル氏は、同国の戦略が全般的に誤解されたままだと主張している。
テグネル氏についてはこの1週間、世界保健機関(WHO)を批判したりロックダウンを採用する国は「狂気」の沙汰だと主張したことが大きく取り上げられた。
ロックダウンは狂気の沙汰、「世界は狂った」-スウェーデン疫学者
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アンデシュ・テグネル氏(6月23日、ストックホルム)
スウェーデンの戦略は社会活動の大半を続けながら人と人との距離を保つ指針を順守するよう人々を訓練するものだが、世界は長く先の見えない新型コロナとの闘いでまだ第1段階にあるため、長期的な対応ではこうした戦略が唯一現実的な方法だというのが同氏の持論だ。
テグネル氏はスウェーデンの公共ラジオが流したポッドキャストで、「われわれの取り組みがこれまでより真剣に評価されることを願う」とし、「これがどのような結末を迎えるのか知るすべはない」と語った。
26日には、WHOが「感染の加速が非常に深刻な感染再拡大につながっており、それが抑制されなければ、医療体制が崩壊の危機に瀕する」11カ国の1つにスウェーデンを分類したことについて、「 完全な間違い」だと厳しく反論。その後、WHOは評価を修正してスウェーデンの感染率は事実上「横ばい」だとし、感染者数の多さは検査の増加によるものだとした。
テグネル氏は厳しいロックダウンは一時的には流行を抑制するが、感染の再拡大を阻止できないと懸念している。同氏はロックダウンには回避できない代償もあると指摘。「あらゆる医薬品に副作用があるのと同じように、流行への対策にもマイナスの影響がある」とした上で、家庭内暴力や孤独、大量の失業を挙げている。
Intensity Waning
Sweden sees decline in new intensive care cases
Source: The Public Health Agency of Sweden
Covid Death Rates
Deaths per 100,000 population
Source: Johns Hopkins University
原題:
Sweden’s Covid Expert Says the World Still Doesn’t Understand(抜粋)
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June 29, 2020 at 10:28AM
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