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甲子園はまだ目指せる 上野和重 - 西日本新聞

 「まんが甲子園」「スイーツ甲子園」「書道パフォーマンス甲子園」…。野球の「甲子園」になぞらえて、各種ジャンルで高校生の全国大会の通称に「甲子園」が用いられている。それだけで全国一を目指す大会と理解できるからだろう。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、大半の「甲子園」が中止を余儀なくされた。大会に懸ける高校生の情熱は、体育系でも文化系でも同じだと思う。本家の「夏の甲子園」も春の選抜大会に続いて中止となった。元高校球児として、3年生部員に掛ける言葉が見つからない。

 「あの時、カーブのサインを出していれば」「どうしてあの球を見逃したのか」。甲子園まであと2勝に迫った35年前の夏の大会は今でも鮮明に覚えている。毎年集まるチームメートや後輩との会話には、必ずあの夏が話題に上る。それだけひたむきにエネルギーを注いで野球に取り組んだからだろう。代替大会が準備されたとはいえ、集大成の真剣勝負の場を失った3年生の気持ちは察するに余りある。

 プロ野球阪神と阪神甲子園球場は全国の3年生部員全員に「甲子園の土」入りのキーホルダーを贈る。矢野燿大(あきひろ)監督は「何か背中を押せるものはないかと思って決めた」と語る。思いの詰まったエールは8月下旬には届くという。その頃には気持ちも切り替え、次に向かっていてほしい。

 目標の一つを提案したい。それは高校時代と同じ「甲子園出場」だ。2004年から始まった「マスターズ甲子園」がその舞台。元高校球児が同窓会チームを結成し、予選を勝ち上がれば甲子園で1試合だけプレーできる。昨年はPL学園高チームが出場、巨人などで活躍した桑田真澄さんもプレーして話題となった。

 私も14年大会で憧れの聖地に立つことができた。28チームが参加した鹿児島県予選を勝ち抜いて出場権を手にしたのだ。お金を出して球場を貸し切れば試合はできるが、勝者のみ出場できるからこそ価値がある。春夏の甲子園と同じメロディーが流れる中での開会式の入場行進は、テレビ中継もなく、スタンドも満員ではなかったけれど、何物にも代え難い体験となった。

 試合は四回以降、35歳以上しか出場できないルールなので、おじさんたちの力が必要だ。同輩だけでなく先輩、後輩と同じ夢に向かって過ごせた時間が財産になった。

 今回、悔しい思いをした後輩たちのためにも先輩たちがひと踏ん張りして一緒に甲子園を目指してはどうだろうか。同窓の絆もさらに強まるに違いない。 (鹿児島支局長)

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June 17, 2020 at 09:00AM
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