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プレイステーション5が目指す「次世代のゲーム体験」は、まだ発表会では明かされていない - WIRED.jp

「プレイステーション 5(PS5)」の発表会の序盤で「グランツーリスモ7」の映像が流れたとき、YouTubeのコメント欄に並んだ言葉は「実写」だった。疾走するレーシングカーや車体に反射する風景、夕暮れどきの微妙な光加減まで、画面に映るあらゆるものが実写映像と見紛うほどのリアルさを帯びていたのだ。

そこに、さらなるリアルさを高めていたのが、音である。PS5のリードアーキテクトを務めるマーク・サーニーが「次世代機ではハードウェアのかなりの部分を音響に割り当てることで、サウンドがどれだけ劇的に変化できるのか証明したいと思っています」と『WIRED』US版のインタヴューで語っていた通り、ヘッドフォンから聞こえるエンジン音は、まるで自分がそこにいるかのような臨場感を感じられた。

関連記事:特報:ソニーの次世代ゲーム機「PS5」は、革命的なマシンになる

ハードウェアの進化を感じられた美しい映像とサウンド

完全な新作から人気タイトルの続編まで、発表会で紹介された28タイトルの美しい映像とサウンドに、オンラインで発表会を見守った世界中の観客たちは大いに沸いた。

長編アドヴェンチャー「ラチェット・アンド・クランク」の新作「Ratchet & Clank: Rift Apart」のトレイラーでは、緻密に描き込まれた惑星を次々とワープして移動する主人公・ラチェットの姿が映し出された(なお、本シリーズにはサーニーが長年デザイナーやデザインコンサルタントとしてかかわっていた)。

「これまでにないことができるようになりました」。開発元のインソムニアック・ゲームズでクリエイティヴディレクターを務めるマーカス・スミスは、このゲームがPS5の機能を最大限に生かしていることを強調した。「次元間の切れ目を通じて惑星から惑星へ瞬時に跳んだり、レイトレーシングに応じてクランク(キャラクターのひとり)に光を反射させたりできます」

それもこれも、PS4時代から格段にパワーアップしたCPUや、3D環境でも光の反射や屈折、陰影をリアルに表現するレイトレーシング対応のGPU、そして起動や読み込みのスピードを圧倒的に改善する超高速SSDといった、ハードウェアの進化あってこそである。

そして、コントローラーだ。「ラチェットは武器を一新しワクワクが満載。『DualSense』(デュアルセンス)コントローラーのおかげです」と、スミスは言う。

PS5はUltra HD Blu-rayディスクドライヴを備えた「スタンダードモデル」と、ディスクなしの「デジタル・エディション」の2モデルが発表された。さらに3Dオーディオ対応の「PULSE 3Dワイヤレスヘッドセット」や、ゲームプレイとプレイヤーを高画質で配信できるHDカメラ、メディアリモコン、DualSense充電スタンドなどの周辺機器も充実しているようだ。PHOTOGRAPH BY SONY INTERACTIVE ENTERTAINMENT

コントローラーへの違和感

PS4のコントローラー「DUALSHOCK 4」は振動を感じられる仕様になっていたが、PS5向けコントローラー「DualSense」にはハプティック(触覚)によるフィードバックが伝わるようになっている。

2019年10月にひと足早くこの新しいコントローラーのデモを体験した『WIRED』US版のピーター・ルービンは、そのリアルさを次のように表現している

このデモで最も印象的だったのは、キャラクターをさまざまな“表面”の上を走らせてみたときに、それぞれ違った感覚を得られたことだった。それは驚くほど没入感のある体験だったのである。

例えば、砂の上では足をとられるような感覚があり、泥ではぐちゃぐちゃした感覚があって歩みが遅くなる。氷の上ではアナログスティックの反応が過敏になり、キャラクターが“滑って”いる感覚を指先で感じられるようだった。プールに飛び込むと水の反発力を感じたし、木でできた橋の上では、木がたわむような感覚までしたのである。

しかし、今回の発表会の見事なヴィジュアルとサウンドを目にしたいま(YouTubeでの配信が1080p、30フレーム/秒だったとはいえ)、このコントローラーのあり方には違和感を感じた。というのも、視覚と聴覚でこれほどまでに高い没入感を誇りながら、コントローラーが従来と同じ形式を維持しているからだ。

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視覚的な没入感の先にある世界

ルービンはPS5の「DualSense」には驚くほどの“没入感”があったと語っている。だが、視覚的な没入感が高まるほど、人の意識はその世界へと入り込んでいくものだ。そのときにゲームとの一体感をこれまで以上に感じられることが、真の没入感の実現において重要な鍵になるだろう。

こうしたなか、同じ形式のコントローラーというユーザーインターフェイス(UI)が前世代から引き継がれたままの状態で、ソニーが言うところの「次世代のゲーム体験」は、どう実現されるのか。美しく精緻なヴィジュアルとサウンドを表現できるようになったいま、その世界に本当に入り込んだような体験を提供できるのだろうか。

こうした体験を提供できるインターフェイスとして、忘れてはならないものがある。それは仮想現実(VR)だ。ゲームの世界に入り込んだかのような、自らの身体とメタヴァースが溶け合ったかのような感覚。手を伸ばせば、そこにあるものに触れられるかのような体験──。極めて高い表現力とVRが掛け合わされた世界こそが、真の「次世代のゲーム体験」の可能性のひとつではないか。

今回の発表会で披露されたゲームタイトルにも同じことが言える。レーシングやシューティング、3人称視点のアドヴェンチャーといった従来の枠の内側にあるゲームの数々を、既存のUIと正常進化したハードウェアで遊んだとき、(楽しさという重要な要素は別として)それは本当に「次世代の体験」と言えるのだろうか。

真の「次世代のゲーム体験」に向けて

こうした点についてはリードアーキテクトのサーニーが、昨年の『WIRED』US版の独占インタヴューで興味深いことを語っている。「現時点で言えるのは、VRはわたしたちにとって非常に重要であり、次世代機もPSVRの現行モデルに対応する予定だということだけです」と、サーニーは語ったのだ。そして、「いまはVR関連の戦略には踏み込まないでおきましょう」と、はぐらかした。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントの社長兼最高経営責任者(CEO)ジム・ライアンは発表会で、「本日ご覧いただいた映像は、次世代がお届けする体験のほんの始まりにすぎません」と語っている。その通り、今回の発表はPS5という体験のごく一部であり、真の「次世代のゲーム体験」とは何かソニーは理解しているはずだ。

PS5は、ソニーが約束する「未来のゲーム体験」になるのか、あるいは既存のゲーム体験の“高解像度版”にとどまるのか。まだ発売まで時間は残されている。

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