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氷上釣りはもうできない?北米・五大湖で起きている異常事態(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース

 米国には、厳寒の冬を待ちわびる氷上釣りの愛好家が200万人近くいる。。五大湖の一帯では、冬の寒さは趣味だけでなく、生活の糧にもなっており、湖畔で観光客向けのキャビンと釣り具店を経営している一家は、氷上釣りとスノーモービルの季節の稼ぎが、1年間の収益のほとんどを占めている。  だが、2019~20年の冬は釣りがほとんど楽しめなかった。湖の面積に占める結氷した範囲の割合(結氷範囲)は、五大湖全体で見た場合、長期的な平均値は54%になる。だが、この冬は19.5%で、過去最低に迫る数字だった。この地域では、まったく結氷しなかった湖もあれば、湖岸付近にわずかに氷が張っただけ、あるいはほんの短期間しか凍らなかった湖もあった。 ギャラリー:1月だというのに氷が張らないエリー湖ほか、五大湖の異常事態  ある冬が暖かかったからといって、それがずっと続くとは限らない。だが研究者たちは、五大湖一帯のさまざまな変化の記録を集めていくうちに、一定のパターンがあることに気づいた。そして、結氷の痕跡が皆無に近かった2019~20年の冬こそが未来の姿だという、厳しい結論に達した。

五大湖が示している気候変動

 五大湖を満たす水の量は、地球上の淡水の約2割を占める。面積もまた広大で、五つ合わせると24万4000平方キロを超え、英国の国土にほぼ匹敵する。湖岸線の合計は、米国本土の太平洋岸、もしくは大西洋岸より数千キロも長い。この巨大な湖群は、地球の長い歴史のなかで起きた自然な気候変動の産物だ。しかし今、湖が直面しているのはかつてない規模の変動であり、しかもそこには人間が関わっている。  1880年代以降、地球は平均で1℃ほど暖かくなった。五大湖地域も例外ではなく、20世紀に入ってからの60年間と比較して、平均気温は0.9℃も高い。また、気温上昇は冬季に集中しているため、氷はさらに解けやすい。 「湖の氷はまさに気候の指標であり、気候変動を如実に反映しています」と、カナダのトロントにあるヨーク大学で湖沼生態学を研究するサプナ・シャーマは言う。「人間は何世紀も昔から、氷の様子を細かく記録してきました」  たとえば、長野県にある諏訪大社は、600年近く前から湖が全面結氷した日付を書き記してきた。その記録からは過去の気候変動のサイクルが見えてくるが、人間の活動が引き起こした近年の地球温暖化の勢いとは比較にならないほど小さい。また、フィンランドでも、トーネ川を利用していた商人たちが、氷の解け始める日を1693年から毎年記録していた。  五大湖の一つであるスペリオル湖でも、1857年から結氷の始まりと解け始めを船会社が記録している。寒さが厳しい年は早くに氷が張り、解けるまでの期間が長いが、暖かい年は短いという傾向はある。だが全体としては、そこに産業革命以降に人間が引き起こした温暖化がはっきり見てとれる。  米ミネソタ大学アイタスカ生物学研究所で、氷の張る湖と人間の文化的関係を調べている湖沼の専門家レズリー・ノルは言う。「五大湖で起きていることは、氷山の一角にすぎません」 ※ナショナル ジオグラフィック日本版9月号「五大湖 凍らない冬」より抜粋。

文=アレハンドラ・ボルンダ/英語版編集部

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August 29, 2020 at 10:13AM
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