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社説 阿部県政10年 「独自の自治」はまだ遠く - 信濃毎日新聞

 阿部守一知事があすで就任から丸10年を迎える。同時に3期目の折り返しとなる。

 海外誘客を弾みに県内の成長産業に位置付けてきた観光は、新型コロナウイルス禍で戦略の抜本的な見直しが迫られる。製造など他業種への影響も深刻だ。雇用の落ち込みも激しい。就任以来、最も厳しい経済状況と言える。

 ウイルス対策や昨年の台風19号災害の復旧は喫緊の課題だ。一方で当初掲げた県政運営の目標はどこまで達成できたのか。数多くの条例は制定されたが、県民と意識が共有できているとは言い難い。県民参加は遠のいている。

 地域の潜在力を生かし、将来への活路を見いだしていかなくてはならない。就任時に掲げた「信州独自の自治」の力をどう高めていくかが改めて問われる。

 2018年からの県総合5か年計画に「学びと自治の力」を掲げる。河川の流域や中山間地ごとに築いた特色ある文化や産業を生かすには、現場を担う市町村や住民との協力が欠かせない。地方事務所を改組した地域振興局は構想通りの役割を果たせていない。

 3期目の政策目標には、子どもや若者が希望を持てる地域づくりがある。自然保育の普及、待機児童対策の強化など子育て支援と一体のものだ。どこまで実行されているのか検証してほしい。

 県人口は減り続け、現在の203万7千人が10年後に190万人を割る恐れもある。他方、東京一極集中にも変化の兆しがある。

 総務省の集計で7月の東京圏が転出超過に転じた。民間の調査で首都圏の非正規労働者の6割が地方移住に興味を示している。

 県は最新のデジタル技術を県民生活に活用するための指針をまとめた。行政事務や教育、防災などに生かす計画だ。地方の魅力を高め、在宅勤務や移住を可能とする生活基盤の整備につなげていくことも重要な課題だろう。

 長野県の最大の魅力は豊かな自然環境にある。県は昨年、気候非常事態宣言を行い、二酸化炭素(CO2)排出を50年までになくすゼロカーボン構想を掲げる。

 実現へのハードルが高く、県民には十分伝わっていない。いかに県民との距離を縮め、価値観を共有できるかにかかっている。

 3月、公文書管理条例が制定された。行政の意思決定過程を後世に残し検証を可能にするものだ。知事は関係情報の全面公開には否定的な見解を示している。一つ一つの施策の透明性を高め、説明責任を果たす姿勢が求められる。

(8月31日)

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