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木場潟再生 まだ茂らせる 絶滅危惧種のオニビシなど定着10年 - 中日新聞

一時絶滅したオニビシなどの水草が再び定着し始めている育成地=小松市の木場潟で

一時絶滅したオニビシなどの水草が再び定着し始めている育成地=小松市の木場潟で

  • 一時絶滅したオニビシなどの水草が再び定着し始めている育成地=小松市の木場潟で
  • 木場潟再生プロジェクトのメンバー=小松市の木場潟で

地元のプロジェクト「目標は今の面積の50倍」


 小松市の木場潟で、水質悪化により一時絶滅したガガブタなどの浮葉植物が、再び定着し始めて十年目を迎えた。今ではガガブタやオニビシなどが、約一万平方メートルの範囲に広がるまでになった。地元有志のグループ「木場潟再生プロジェクト」が水質の浄化に取り組んできた。六日には木場潟湖畔で活動を振り返る報告会を開き、今後も植物の育成を続け、生物多様性に富んだ美しい水辺を目指すことを誓った。 (井上京佳)

 プロジェクトでは、木場潟の東のエリアを中心に浮葉植物を育てている。同エリア内のうち、船小屋がある水辺は遠浅の砂地。かつては洗濯や農耕用の牛を洗うために人々が集まる場だったといい、メンバーも「子どもの頃よく泳いだ」と懐かしむ。一九七〇年代前半まできれいな水辺だったが、生活排水などで水質が悪化。八〇年、約四十種類の自生していた浮葉植物が絶滅した。

 これをきっかけに、地元では、水を浄化する植物できれいな木場潟を取り戻そうと、近くのため池から水草を探し、バスタブなどで育てて、木場潟に移す活動に取り組む人が出始めた。

 こうした人々がつながり、プロジェクトは二〇〇四年に発足。アメリカザリガニなど外来種の駆除や除草に苦心しながら、一二年に県の絶滅危惧Ⅱ類のアサザの育成に成功。同Ⅰ類のガガブタ、Ⅱ類のオニビシも定着するようになった。

 プロジェクトでは、木場潟の面積の半分で、現在の五十倍となる約五十万平方メートルまで浮葉植物を広げるのが目標。ヒツジグサやジュンサイなど、別の植物も定着させようと準備を進めている。植物が増えることで、そこをすみかとするヤゴやメダカ、エビなどの生物や、越冬するカモなどの水鳥も増えるという。

 浮葉植物の絶滅直後から約四十年、再生に取り組み昨年までプロジェクト顧問を務めた大井貞夫さんが、今年六月に亡くなった。動植物リーダーの藤田勝男さん(80)は「思いを継いで、水草が生い茂るきれいな木場潟にしたい」と語る。

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