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もう自分だけの夢じゃない パラ走り幅跳び・中西麻耶 - 西日本新聞

 東京パラリンピック第5日の28日、陸上女子走り幅跳び(義足・機能障害T64)で中西麻耶(36)=阪急交通社、大分県由布市出身=が6位に入賞した。4大会連続出場で初のメダルは逃したが、多くの葛藤を乗り越えた大会で「ベストは尽くした」と語った。

 走り幅跳びで8位入賞した2012年ロンドン大会の後、いったん競技から離れた。パラスポーツへの注目度が低かった当時。「金メダルを取るのは自分の夢でしかない。諦めたところで誰も知らない」。ロンドン大会前に練習拠点にしていた米国で指導を受けた1984年ロサンゼルス五輪男子三段跳びの覇者アル・ジョイナーさんから「才能があるのにもったいない」と何度も連絡を受けた。悩んだ末に翌13年から競技を再開。会員制交流サイト(SNS)で届く激励など故郷大分を中心とした周囲の支えを実感した。

 新型コロナウイルスの感染が拡大すると、練習拠点を大分から、より環境が整った関西に移した。「大切な故郷を捨ててもスポーツを取るのか、葛藤があった。大分の皆さんに何も言えず離れたことも苦しかった」。それでも気持ちはなえなかった。「パラリンピックでの活躍は自分だけの夢じゃない。味方が増えているんだと。だから簡単に諦められない」。背負った期待に後押しされ、より高く跳ぶことを目指した。

 明豊高時代はソフトテニスの選手。21歳の時、仕事中の事故で鉄骨に右脚を挟まれた。脚を残す選択肢もあったが、スポーツをしたくて、切断、義足生活に踏み切った。「当時の自分を思えば、簡単には諦められない」と振り返る。

 競技後に願いを明かした。「帰りたいですね。大分に」。コロナ禍で故郷への思いを改めて強くした中西は、来年神戸市で開かれる世界選手権を目指す意向も示した。36歳の心の炎は消えない。

(松田達也)

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