笠松競馬、信頼回復まだ途上騎手９人に減少、単年度赤字は必至 - 岐阜新聞

2021年08月05日 09:05

　約８カ月ぶりにレースの再開が決まった笠松競馬（岐阜県羽島郡笠松町）。関係者は「二度と不祥事を起こしてはならない」「信頼回復へ一丸となって取り組む」と強い決意を示した。だが、運営する県地方競馬組合は本年度の単年度赤字は避けられない状況で、騎手は一連の処分などにより９人まで減少している。公営ギャンブルの信頼を失墜させた笠松競馬の再生への道のりは途に就いたばかりだ。

　「再開の決定を待ちわびていた。二度と不祥事を起こさぬよう皆で気を引き締めてやるしかない」。笠松競馬の騎手と調教師でつくる県調騎会の会長、後藤正義調教師（４２）は語気を強めた。組合副管理者の一人、古田聖人笠松町長も「これからが重要。関係者一同、信頼回復に一生懸命に取り組む」と覚悟を示した。

　組合が７月に定めた公正確保に向けた倫理憲章では「もしも同様の事件を起こした場合は、笠松競馬が廃止となるとの危機感を常に心に刻みます」と記している。組合管理者の河合孝憲副知事は「不祥事はあってはならない。結果的にそういう（廃止となる）可能性もある」と強調する。

　レース開催の自粛が続き、半年以上、馬券の収入がなく、組合の収支は「単年度赤字は必至」（河合副知事）の状況。騎手の減少について組合は名古屋競馬場所属の騎手から出場の了解を得ているため、レースに影響はないとしているが、ある厩務関係者は「久しぶりの開催で、戸惑う面は多い」と吐露する。後藤会長は「ファンの信頼を取り戻すべく、いいレースを提供していきたい」と誓った。

カテゴリ: 社会

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