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新型コロナウイルス知られざるもう一つの医療現場 退院後ケアという戦い - Newsweekjapan

ニューヨーク市クイーンズ区の住宅街に車を停めた看護師のフローラ・アジャイさんは、トランクを開け、個人防護具が詰まったプラスチック容器を取り出した。手袋と青いガウン、二重のマスク、フェイスシールド、さらに靴カバーを着用し、担当するCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)患者の1人が生活する家に足を踏み入れる。

47歳のアジャイさんは、ニューヨークの訪問看護師ネットワークの一員。ウイルス感染による呼吸器疾患から回復し、退院して自宅に戻った数百人の患者への支援にあたる。パンデミックとの次なる最前線で孤独に格闘する戦士のひとりだ。

感染力の高い新型ウイルスにより、ニューヨーク州内では少なくとも2万300人が命を落としており、国内における感染拡大の中心地となっている。米国における死者は他のどの国よりも多く、ロイターの集計によれば最低でも4万9000人を数える。

患者が病院における24時間体制の治療から自宅での生活に移行するに当たって、訪問看護師はきわめて重要な役割を担っている。アジャイさんは毎日、ウィルスに汚染されている可能性の高い住宅に出入りし、多ければ1日12回も個人防護具の着脱を市内の歩道で繰り返している。

防護具を何度も使い回すことはできない。だから、アジャイさんの車にはマスクやガウン、手袋が満載されている。

「患者の目となり耳となる」

「私たちも最前線で戦っている」とアジャイさんは訪問看護師について語る。彼女はいま、新型コロナに感染して入院していた病院から最近戻ってきた74歳の女性の家に入るため、ガウンの紐を背中で結んでいるところだ。「医師は、私たちが彼らの目となり耳となることを望んでいる」

ニューヨーク州保健当局のジョナ・ブルーノ広報官によれば、同州では4月22日の時点で4万303人の感染患者が退院しているという。

手指消毒用の除菌ローションのボトルを手に、ゆとりのある青いガウンを羽織ったアジャイさんはポーチの階段を上り、ドアのベルを鳴らす。ドアにはウサギの形のボードが掛かり、「ハッピーイースター」と書かれている。

患者の夫がサージカルマスクを着けた姿でドアを開け、アジャイさんに親しげに手を振って挨拶する。アジャイさんを室内に招き入れるときも、数フィート離れたままだ。

アジャイさんがこの患者に会うのは、退院してから初めてだった。患者の咳は数日前に電話したときよりはかなり良くなっている。アジャイさんによれば、このときは何かを言い終える前に咳き込んでしまうほどだった。

退院したCOVID-19患者が3日にわたって無症状を報告するまでは、アジャイさんも自身が感染するリスクを抑えるため、遠隔診療だけを行う。

「治療の一端を担い、患者を指導し、回復の力になれることが嬉しい」と彼女は言う。「それだけでやり甲斐になる」

それでもアジャイさんは、自分が患者の家から自宅にウィルスを持ち帰ってしまうのではないかと心配している。共に暮らすのは、23歳の息子と、彼女自身の妹だ。アジャイさんは家でもマスクを着用し、感染を防ぐため家族から6フィートの距離を保とうと心がけている。自分が愛する仕事のために払っている犠牲だ。


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May 04, 2020 at 10:38AM
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