新型コロナウイルス感染症（ＣＯＶＩＤ１９）による死者が世界各地で増加した今年３月の時点では、中南米は犠牲者が比較的少ないままで危機を乗り切るように見えた。中南米は国によって新型コロナへの対応が異なり、エルサルバドルやペルーのように厳しいロックダウン（都市封鎖）に踏み切る国もあれば、ブラジル、メキシコのように制限が比較的緩い国もあった。
しかし、５月も終わろうとする現時点で、世界全体の約８％に相当する人口６億人の中南米は、悲惨極まりない状況に陥っている。世界の１日当たりの死者数の約４割を今や中南米が占めており、感染拡大の新たな中心になったことは疑いない。
特に累計の感染者数が米国に次いで世界２位となったブラジルでは、現在２万5000人の死者数が数カ月後には４倍以上に膨れ上がるとの予測もある。メキシコでも26日の新規感染者数と１日当たりの死者数が共に過去最多となった。同国保健省トップはＣＯＶＩＤ１９による死者数が３万人前後に達する可能性があるとの見通しを示した。ペルーとチリ、コロンビアも最近１週間で１日当たりの記録を更新した。
週間ニュースレター「ラテンアメリカ・リスク・リポート」を発行しているジェームズ・ボズワース氏は「中南米の大都市の多くでは感染のピークはなお数週間先になる」と分析。「病院は対応能力いっぱいの状態が長期化する見通しであり、医療システムを逼迫（ひっぱく）させるだろう。国や都市の感染拡大がピークに達しても横ばい状態が数週間続き、その後の減少ペースも急カーブではなく緩やかになると予想される」と指摘した。
原題：
Latin America Now Accounts for 40% of Daily Virus Deaths (1)（抜粋）
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May 29, 2020 at 11:18AM
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中南米の新型コロナ感染ピークはまだ先－世界の死者数の約４割占める - ブルームバーグ
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