ポンペオ米国務長官は6日の記者会見で、中国湖北省武漢市の研究所が新型コロナウイルスの起源とする多くの形跡があると強調する一方、まだ断定には至っておらず不明だと明らかにした。中国が情報共有を拒否していると非難、早期の情報開示を要求した。

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長も5日の記者会見で、同研究所から流出したとの疑惑に関し「まだ分からない」と述べ、米軍として慎重に分析する姿勢を示した。

ポンペオ氏は「米国は確証を持っていないが、研究所から広がったという多くの形跡がある」と指摘。「情報機関はウイルス起源を見つけ出そうとしている」と述べた。

同時に「(本当の最初の感染者である)0号患者や感染が始まった場所の詳細は中国共産党だけが知っている。中国は必要な情報の共有を拒否している」と批判した。

一方、ミリー氏は、ウイルスは人為的に作られたものではないと強調。起源が武漢の研究所なのか市場なのかどうかについては不明で「結論付けるだけの証拠はないが、恐らく意図的に流出されたものではないだろう」と語った。

ウイルスの起源を巡り、ポンペオ氏は3日に武漢の研究所との「多くの証拠がある」と発言し、中国側が強く反発している。(共同)