読者が選ぶ第24回日刊バトル大賞(対象は19年1月15日~20年1月14日)の19年プロレス部門は、今年1月5日の新日本東京ドーム大会でIWGPヘビー、インターコンチネンタルの2冠王者となった内藤哲也(37)が3年ぶり2度目の最優秀選手に輝いた。
年明けのドーム2連戦で2冠を手にした内藤が、ニッカン読者の支持を得てバトル大賞MVPもつかんだ。内藤に16年度以来となる授賞を告げると一瞬喜んだが、すぐに表情を曇らせた。「この賞は1月までが対象? もし、12月までだったら俺は選ばれていないですよね? 東京ドームの2試合で評価されたということ。それこそ、逆転の内藤。でも、僕がプロレスファンだったら、納得いかないと言うでしょうね」。
19年は5月ごろから目の不調に苦しんでいたこともあり、際立つ活躍はできなかった。事実、19年末までを選考対象としたプロレス大賞でのMVPは前IWGPヘビー級王者オカダが選ばれている。2冠王者としてスタートした20年度こそは「プロレスの結果以外でも目立った活躍をして、だれもが納得できる状態でのMVPを取りたいですね」と自他ともに認める受賞を誓った。
年間最高試合も、1・5のオカダとの2冠戦が選ばれた。「5、10年後に振り返ったときに、プロレスラー内藤哲也の上位にあげられるような試合だったと思う」と納得するばかりか、その試合を機にさらに欲が深まった。「あの後、動画を何回も見返しました。『あそこをこうしておけばよかったな』とか、出てくるんですよね。俺はまだ向上心があるんだ。俺はレスラーとして上がっていけるな、と」。自分で驚くほどの意欲がまた湧いてきた。
2月9日の大阪城ホール大会では、2冠をかけてKENTAと初防衛戦を行う。KENTAには1・5の2冠戦の勝利後に襲撃され、歓喜のひとときをぶち壊された。さらにその後も、SNSや試合後のコメントで挑発され続けている。内藤は「さすが世界を経験した男。確かに面白いよ」と巧みな言葉遣いをたたえつつ、「でも、あなたは何をやりたいんですか」とリングの戦いでは見えてこないKENTAの意思を問うた。「肝心のリングで何を見せるのか…。大阪ではお客様と僕に見せてよ」と敵に奮起を呼びかけた。もちろん、手にしたばかりの2冠は渡さない。「まぁ、遊んでやりますけどね」と格の違いを見せつけるつもりだ。【高場泉穂】
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