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開通1か月で事故多発のバイパス、住民は「まだ工事中と勘違いしているのかも」 - 読売新聞

 3月下旬に開通した茨城県結城市内の県道バイパスで、車同士が交差点で出合い頭にぶつかる事故が多発している。開通後の4週間で確認されたのは5件。現場は計3か所で、いずれも信号はない。見通しの悪さを指摘するドライバーもいる。小学生の通学路になっている交差点では、保護者らが登下校時の見守り活動を続け、住民らは信号の設置を求めている。(田原遼)

 事故が相次いでいるのは、「主要地方道筑西三和線バイパス」。結城市山王から同市粕礼の約3キロの区間だ。3月22日に開通した。

 開通翌日の23日、2件の事故が発生した。24日と29日、4月13日にもそれぞれ1件あった。開通から18日午後5時までの28日間で計5件。1年間に65件のペースだ。

 結城署によると、結城市の全域で、昨年の人身事故は計100件。バイパスでの事故は際だって多い。

 5件の事故は、市道や農道と交わる3か所で起きている。3件が集中する同市浜野辺の交差点では13日、市道から交差点に入った軽自動車とバイパスを走行中の大型貨物車が衝突。軽自動車の男性2人が肋骨ろっこつを折るなどの重傷を負った。

 記者は15日、浜野辺の交差点を訪れた。バイパスを走る乗用車や大型トラックの多くは、スピードを上げて交差点を通過していた。

 市道側の路面には停止線が引かれている。一時停止の標識や、「この先交差点注意」「止まれ」と書かれた看板も設置されている。それでも、近くに住む男性(79)は「市道からはバイパスの車が見づらくて危ない」と不安を語る。

 記者も実際に走行してみた。市道からバイパスに入る際、バイパスの歩道脇に設置された柵で視界が遮られる。目をこらさないと、バイパスを走る車の位置を確認できなかった。

 バイパスは片側1車線だが、2車線ずつに拡幅する計画がある。上下の車線の間には現在、未利用地があり、赤色と白色の樹脂製ブロックが置かれている。

 「まだ工事中だと勘違いしている人も、いるのかもしれない」。交差点に近い畑で農作業をする男性(79)は、こう推察する。

 市道を走ってきた車が交差点の手前で止まらず、そのままバイパスに入っていく――。そんな光景をよく目にするという。

 事故を避けるため、男性の家族はバイパスを利用せず、遠回りして買い物に出かけている。「市街地に出るのに便利な道路だからこそ、早く信号機を設置して安全を確保してほしい」。男性は語気を強める。

 浜野辺の交差点は、市立山川小の通学路だ。学校側はバイパスの開通前から、信号のない交差点に不安を感じていたという。結城署などと協力し、1月に現場を確認。3月には開通前後に計6日間、在校生に横断歩道の渡り方などを指導した。新入生が加わった4月にも、2日間実施した。

 塚田裕史校長(55)は「登校時間は通勤時間帯とも重なっていて危険」と語る。日々の登下校では、保護者や教員が交差点に立ち、児童を見守っている。子どもの安全や教員の負担軽減を考え、学校まで車で迎えに来る保護者もいる。

 「自分たちでできる安全対策を講じていくだけ」。塚田校長は淡々と語る。

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