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アウディの未来はもう始まっている “Future Is An Attitude”への思いとは - GQ Japan

爪の先しか入らないほどまで詰められたボディ・アウターパネルの隙間、いわゆるチリは、金属と樹脂、金属とガラスといった異種素材が隣り合わせる部分の視覚的緩衝材を省くデザインと相まって、クルマという大きな物体に不釣り合いなまでの精密感、緻密感をもたらした。

かと思えば、成型樹脂の組み合わせだけで構築した室内表層にも、異様なほどの精密感を持ち込んで、木と革とアルミを使うだけが高級感をもたらすのでないと証明してみせた。テクノロジー・アヴァンギャルドという印象が強かったアウディに、上質で高級なイメージが積み上がった。

アウディはまた、1980年代後半には早くも、純EVの可能性を探るプロトタイプを欧州のモーターショウで公開して世に問うこともしていた。現地での取材でそれを知った僕などは、高性能モデルの相次ぐ登場に沸く晴れ舞台にずいぶんと地味な技術発表を持ち込むんだなぁと、意外に思ったものだ。


1989年、当時の「100アヴァント」ベースのハイブリッド・カー・コンセプト「アウディDUO」を発表した。直列5気筒ガソリン・エンジンが前輪を駆動し、9 kWを発生する電気モーターが後輪を駆動するシステムを搭載した。

こうした諸々の“技術による先進”を目の当たりにしても、その先にあるものを少しも見ていなかったことにアウディe-tronの登場によって気付かされて、愕然とした。目の前にあらわれた新技術それ自体に目を輝かせ、それがもたらす直近の性能向上に感動こそしても、先の未来にアウディが見据えているもの、根底に流れているものには、考えも及ばなかったのである。

クワトロ・システムも、エアロダイナミクス・デザインも、アルミ・スペースフレームも、ボディの精密組立も、電動化も、すべては運動する機械の高効率化というひとつの目的を見定めて成し遂げられてきた。刹那的な享楽主義とははるかに遠い所に立って、アウディは時代に先駆けた高性能自動車を投入し続けてきたのである。

高い駆動効率、低い走行抵抗、軽量ボディ……それらはつまり、少しでも少ないエネルギー資源から最大の出力を取り出して、走行抵抗少なくかつ十全に路面に伝えることで、環境負荷を小さく大きな仕事を成し遂げようとすることを目指してのものだ。ひいてはそれがクルマによる個人のモビリティを将来にわたって担保することに直結すると、アウディはずっと考えてきたに違いない。

最近よく聴くサステイナブル、サステイナビリティという言葉は、ともすれば会社が生き残っていくための手段を強調して使われることが多いみたいだけれど、本来的にはエコロジー・コンシャスな態度に重きを置いて使われていた言葉ではなかったか。少なくとも近視眼的ではなかったというだけでも、アウディの歩んできた高効率化追求の歩み、“技術による先進”は、真にサステイナブルなそれだったのだと思う。

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November 25, 2020 at 04:43AM
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