軍師黒田の球界ぶっちゃけ話
硬くなるのはまだ早い
--9月に入り、阪神は勢い乗れない試合が続いています
黒田「先発投手の粘りがなくなってきたかなと思うよ。五、六回ぐらいから登板する中継ぎ投手が頑張ると逆転できるが、そうじゃないと難しい。八、九回を任せる投手はしっかりしているんだから、問題は五~七回をどう抑えるかだな」
--粘りがなくなった要因は何でしょう。先に点を与えてはいけないとの気持ちが強すぎるのでは
黒田「それもあるだろうが、打線の援護も遅い。好調な時は早い回に点を取れていた。すると、先発投手も楽に投げられる。今でも五、六回までは粘れているが、どうしても力尽きてしまう。そこで、負けているときに登板させる投手に代えていくと、点差が開く。抑えていけば、打線には逆転する力はあるんだけどね」
--一時は糸原が3番を打つなどしていました
黒田「糸原はチャンスメーカーでありながら、勝負強いからね。なぜかと言えば、ストレートに強いから。中野を2番で使うとすると、糸原を3番に置いておかないと他に誰もいない。本当は2番に置きたいよね。あとは7番ぐらいがいい。大山がいつ自信を持って4番に帰ってくるからだね。打線のつながりが良くなれば、3、4点差なんてすぐにひっくり返せる」
--黒田さんは以前に「強いチームは固定したメンバーで戦うもの」と話していました
黒田「そらそうだよ。来年、再来年のチームを考えると、大山や佐藤輝をチームの柱に育てないといけない。そこは矢野監督も思っていると思うよ」
--佐藤輝は2軍行きとなりました
黒田「(8月末の)広島戦から、まったくタイミングが取れなくなった。2軍で試合に出て、自分を見つめ直すのも一つの方法だと思う。どうやって調子の悪い期間を短くするかだね」
--スランプ脱出法が分かるようになるには
黒田「南海(現ソフトバンク)で活躍した門田博光を知っているよね。彼はスランプに陥ると、打ち込むよりも『自分で汗をかく』といって、ずっと外野を走っていた。スランプになったら何をするかというのを分かっていた。佐藤輝もどうしたら1軍に上がれるかをコーチ任せじゃなく、自分で悩んで見つけてほしい」
--チームの失策の多さも気になります
黒田「スポーツにミスはつきもの。野手がエラーしたら、投手がカバーする。仲間なんだから、俺が助けるという気持ちをもっと強く持ってほしい。チームとしては反省して一生懸命練習している。ただ、翌日にすぐ結果が出るものではない。例えば三遊間の打球を遊撃手がはじいたとする。それは、スタートがいいからはじいているのであって、そもそもスタートが遅いと追いつけない。そんな見方もある。攻めた結果の失策は責められないよね」
--下位チームと対戦した8月は負け越しでした
黒田「勝ち越さなきゃいけなかったのに、7勝9敗。だから今苦労している。ただ、これからは3連敗にさえ気をつければ、優勝に近づく。硬くなるのはまだ早い。優勝は意識してほしいけどね。これからは、監督の発する言葉が大切になる。矢野監督も分かっているよ。ノムさんの教えを受けているからね」
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南海(現ソフトバンク)で野村克也さんとプレーし、阪神、西武でヘッドコーチなどを務めたサンケイスポーツ専属評論家の黒田正宏さん。球界事情に詳しい「軍師」がファンの質問に答えます。(毎月第3金曜日掲載予定)
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