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「天性の明るさがチームにプラス」
オンラインでメディアに対応した森重の言葉を聞いているだけで、非公開で行われているFC東京の練習の光景が伝わってくる。 「天性の明るさがあるので、チームにとってはすごくプラスですね。外国人選手とも上手くコミュニケーションが取れている面でもすごい。(合流して)まだ2日ですけど、上手くチームを回してくれているんじゃないかと思います」 明るいキャラクターを全開にしているのは、言うまでもなく長友だ。初めて出場した南アフリカワールドカップでの活躍が認められ、セリエAのチェゼーナへ期限付き移籍したのが2010年7月。当時の長友を知る唯一のチームメイトになった森重は、11年ぶりに復帰したレジェンドと若手選手たちの微笑ましい関係も明かしてくれた。 「若手はテレビのなかの長友しか見たことがないので、彼らの方から話しかけるというところはまだあれですけど。でも(長友が)自分からしゃべりますし、ああいう明るい性格なので、みんなも徐々に慣れるんじゃないかなと思っています」 自らが橋渡し役を買って出る必要もなかった。練習中に繰り広げられた光景を思い出すたびに、日本代表でも長友と同じ時間を共有してきた森重は思わず苦笑した。 チェゼーナからステップアップしたビッグクラブのインテルで7年間プレー。さらにトルコのガラタサライ、フランスのオリンピック・マルセイユと強豪クラブを渡り歩いた長友は、自らを「コミュニケーションの鬼」と呼んではばからない。 言語や文化、そして風習も異なるチームへスムーズに溶け込むには、自分から輪のなかへ飛び込んでいくしかない。ヨーロッパの3ヵ国、計4チームで長友の武器となったコミュニケーション術は母国に帰ったいま、最強のツールと化している。 今年6月の日本代表活動中でも、年齢が大きく離れた選手たちが自然と長友のもとへ集まり、ヨーロッパで培われた経験などが伝授される光景が生まれた。いつしか“長友塾”と呼ばれるようになった輪のなかへ入った一人で、FC東京で再びチームメイトになったDF小川諒也(24)は、大先輩と交わした会話をこう振り返ったことがある。 「自分がFC東京の選手だとわかってくれていたので、ちょっと気にかけてくれている感じはありました。すごく言われたのはスピードの部分ですね。単純なプレーのスピードもそうですけど、判断のスピードをもっと上げていかなきゃいけないと。トラップする前からいろいろなビジョンを描いていないといけない、と何度も言われました」
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