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バレンシアガ 22年春コレクション - テクノロジーを通した“もう1つの現実”の中で - Fashion Press

バレンシアガ(BALENCIAGA)は、22年スプリングコレクションをデジタルショーにて発表した。

テクノロジーを通して見た“現実”とは

今季のコレクションには、テクノロジーを通して見た時の“現実”の変化を映し出している。私達が日々目の当たりにしている“現実”とは、フォトショップなどを用いて編集され、洗練され、変更された“別の現実”であり、現実と“別の現実”を読み解き区別することがもはやできなくなりつつある。バレンシアガは、そんな現実世界を「デジタルクローンの世界」を通して表現する。

コレクションルックには、バレンシアガのこれまでのショーやほとんどのキャンペーンに出演しているアーティスト、エリザ・ダグラスのイメージを用いたデジタルクローンが登場。機械学習によって作成されたディープフェイクやキャプチャ、CGスキャンによってエリザ・ダグラスの顔をデジタルで移植したモデルがランウェイを歩く。

バレンシアガとグッチのコードを融合

注目は、グッチ(GUCCI)の2021年秋「アリア(ARIA)」コレクションでも発表されたグッチとバレンシアガの「The Hacker Project」。グッチのシグネチャーをバレンシアガのプロダクトとして解釈し、両ブランドのメゾンのコードを交差させ融合させることで、「しばしば偽造や流用が発生するファッションにおいて何が本物で何をもって偽物なのか?」という問いを投げかける。

例えば、グッチのアーカイブのダブルG ダイヤモンドモノグラムデザインは、バレンシアガのダブルBロゴを用いて再編成。あたかもグッチのモチーフであるかのような体裁で“実はバレンシアガのシンボルが用いられている”というフェイントが、ボストンバッグやショルダーバッグなどに仕掛けられている。

さらに、ビッグサイズのトートバッグには「This Is Not a Gucci Bag」のメッセージをハンドペイント。あえて自ら“グッチのバッグではない”と表明することで、正しさや“本物であること”の概念に揺さぶりをかけている。

身体を離れた仕立て

また、象徴的なのは、テーラリングを解体し、身体から離れてフィットするように仕立てられたウェアの数々。テーラードジャケットやカバーオールの肩は極端に張り出し、ゆったりとした身頃の仕立てによって身体に密着せず空間を作っている。

バレンシアガのクラシカルなコクーンコートを彷彿させるオーバーシルエットのラップコートは、ラフに安全ピンで前を留めた、無造作なシルエットに。やや歪んだフォルムや裾のほつれといった、有機的な綻びが印象的だ。尚、ネイビーのラップコートには、クロックス(crocs)との2度目のコラボレーションによる、クロッグのブーツをコーディネートしている。

イエローのウルトラプリーツドレスは放射状に広がるプリーツがエレガントなフォルムを描き出し、パファージャケットやパーカは、高く仕立てた襟が首から離れて自立し、スカルプチャーのような佇まいを見せている。

斜めに立ち上がった襟がアイキャッチなダウンベストには、メタルフープやスタッズを張り巡らせてジッパーやストラップ、サイドポケットを最適化したデニムスカートを合わせ、ファンクショナルなエッセンスをプラス。身体性を離れたウェアと、身体性に即したウェアのコーディネートを提示した。

ラストルックとして登場した真っ赤なドレスは、ドラァグ アーティストのディヴァイン(Divine)からインスパイア。裾の分量感をより一層強調しデフォルメすることで、身体にフィットしている部分とのコントラストを強めた。

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