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社説 千葉虐待死判決 核心がぼやけたままだ - 信濃毎日新聞

 異例の重い量刑判断だ。千葉の小学4年生、栗原心愛(みあ)さんが虐待を受けて死亡した事件の判決で、父親の勇一郎被告に千葉地裁が懲役16年を言い渡した。

 裁判員裁判による判決は、傷害致死、暴行、強要など、起訴された六つの罪を全て認定した。尋常では考えられない凄惨(せいさん)な虐待だと非難し、前例を超えて極めて悪質性が高いと述べている。

 虐待による傷害致死事件でこれまでに出た最も重い判決は懲役11年、保護責任者遺棄致死で懲役13年だという。検察側は今回、懲役18年を求刑していた。

 公判で勇一郎被告は、罪は争わないとしつつ、暴力行為の大半を否定した。関係者の証言と明らかに食い違う主張を、地裁が「信用できない」と退け、厳しい判断を示したのはうなずける。

 虐待について判決は、理不尽な不満のはけ口だったと述べ、被告は支配欲から虐待を加え続けたと指摘した。ただ、何が執拗(しつよう)な暴力を生んだのか、被告が自身の内面に向き合って語ることはなく、事件の核心はぼやけたままだ。

 心愛さんは昨年1月、自宅の浴室で死亡しているのが見つかった。被告は、食事を与えずに長時間立たせ、冷水のシャワーを顔に浴びせて死に至らせたとして傷害致死に問われた。

 心愛さんの母親(傷害ほう助で有罪が確定)は公判で、被告が心愛さんに下着を脱がせて冷水を浴びせたことを証言した。遺体を司法解剖した医師は、胸部が陥没するほど骨折し、全身に皮下出血があったと述べている。

 虐待はおよそ1年半に及び、心愛さんは学校のアンケートで「先生、どうにかできませんか」と訴えていた。必死に助けを求めたにもかかわらず、事態は悪化した。児童相談所は心愛さんを一時保護したものの、翌月に解除し、被告が自宅へ連れ戻してからも特段の対応を取っていない。

 ただ、児相や学校の非を責めるばかりでは根本的な解決につながらない。増え続ける虐待に現場の態勢が追いついていない現状にこそ目を向けなければならない。

 かつてのような地域の人のつながりが薄れ、家庭が孤立するとともに虐待は深刻化してきた。誰にも頼れずに、子どもを抱えて困り果てている親もいる。

 子どもも親も、苦しいときには「助けて」とためらわずに声を上げられる社会をどうつくっていくか。その声を受けとめ、支えるために一人一人に何ができるのかを誰もが当事者として考えたい。

(3月20日)

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