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黒門市場も「もう限界だ」 飲食関連業界から悲鳴 巣ごもり需要に活路も 大阪 - 毎日新聞 - 毎日新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大で大阪市内の飲食店への休業・営業時間短縮の要請が続く中、飲食店を顧客とする食品卸や調理器具販売などの関連業界も影響を受けている。売り上げが激減する一方で、「(要請に応じる飲食店は対象なのに)大阪府からの協力金をもらえず、もう限界だ」との悲鳴も上がる。「巣ごもり需要」を狙い、一般消費者向けのおせち料理などに活路を探る動きもあるが、飲食店との取引が大半の業種では解約などが続くばかりで底が見えない状況だ。

 大阪市中央区の「黒門市場」。例年の年末は1日約15万人が訪れてきたが、今年は減少が予想される。鮮魚の卸や小売りを手がける「新魚栄」の網干貴之社長(53)は、度重なる飲食店への休業・時短の要請を「何度目の壁だろうか」と嘆き、「経営の限界が近づいている」と打ち明ける。

「石橋食品」の従業員がおせち料理のために仕込んだフキ=大阪市中央区で2020年12月23日午後1時32分、藤井達也撮影

 市内の料亭や高級ホテルなど約70軒にフグやカニなどの新鮮な魚介類を卸す。年末年始は年間売り上げの約2割を占める書き入れ時だが、感染拡大の「第3波」による休業・時短要請が市内の一部に出た11月下旬以降、料亭など取引先の8割からキャンセルが相次いだ。12月の売り上げは例年の半分に落ち込んだが、行政からの協力金はない。「飲食店だけで経済が回っているわけではない」と不満を口にする。

 一方、おせち料理の予約は好調だ。イクラやエビなどを使った約4万円の最高級品は75セットが完売し、全体の予約は例年より2割増の約1500件。少しは減収分を補えるといい、網干社長は「家庭で料亭の味を楽しんでほしい」と語る。

新型コロナウイルス禍による減収分を補おうと、おせち料理を調理する「石橋食品」の従業員=大阪市中央区で2020年12月23日午後1時6分、藤井達也撮影

 黒門市場にある総菜店「石橋食品」も、人通りの減少に苦しみつつ、おせちで挽回を図る。12月上旬から仕込みを始め、23日にはフキやなますを調理。年内で250セットの販売を見込む。SNS(会員制交流サイト)で宣伝しており、店員の石橋大輔さん(45)は「家でおせちを食べる人は増えるはず」と期待する。

 一方、飲食店頼みの業種は打開策が見つからない。大阪市中央区の「千日前道具屋筋商店街」で飲食店用の調理器具を扱う会社では12月の売り上げは例年の6割。新規出店向けが収益の柱だが、春から激減したまま。イベント中止も相次ぎ、餅つき大会で使う木臼やきねの売れ行きもよくない。専務の男性(42)は「いつまで会社がもつか。国の雇用調整助成金で何とかつないでいる状態だ」と追加の支援を訴える。

 「解約の手続きや値下げ交渉で忙しい」と嘆くのは、飲食店向けの貸しタオルを扱う「おがわ」(大阪市東成区)の中山聖広社長(61)だ。大阪市内の約300軒と取引するが、コロナ禍で約10軒の顧客を失った。12月以降の売り上げは半減しており、「事業を小さくして耐えるしかない」と話す。やはり協力金について「飲食店に関係する業種のことも考えるべきだ」と憤った。【隈元悠太】

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