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夜のチャイム音「私はまだ71歳」 コロナと母の認知症 - 朝日新聞デジタル

 これまで幾度となくコラムに書いてきましたが、認知症の当事者が自身の症状に気づき、悩みながらも自発的に受診する場合と、当事者は気づいていないけれど家族や周囲の者が症状に気づき、受診を勧める場合など、「ものわすれクリニック」にはさまざまな形での受診があります。今回は当事者が受診の必要性を感じていないにもかかわらず受診する場合の受診について考えます。

コロナで活動が中止に

 当事者に自覚があれば、その人のつらさや不安を分け取りしながら受診することで、当事者はずいぶんと気持ちが楽になるものですが、自分の症状に気づかず、まして「困りごと」など全くない中で受診を勧めることは家族にとって大きな悩みです。自覚症状がなく「気づかない」うちに多くの人に感染が広がった新型コロナウイルス感染症でも、私たちは自覚の無さという「怖さ」を味わいました。認知症の場合は感染症とは異なりますが、多くの課題の中で、受診の必要性を感じない当事者に対してわれわれ周囲の者が心掛けるべきことがあります。

 東北で独居生活する山鹿 みゆきさん(71歳女性)は、首都圏にすむ家族が再三にわたり同居を申し出ても、これまで全く受け入れてくれませんでした。「私はまだ71歳、年寄と同じように扱わないで!」という山鹿さんは、確かに年齢と比べても若く見え、これまでもジャズダンスやカラオケで地域の人たちを指導し、地域の有名人として活躍してきました。

 そんな彼女が最近のことを忘れるようになったのが今年の3月。新型コロナ感染症への対策として、これまで盛んに活動してきたことすべてが中止になったころからでした。娘や息子も当時、感染が広がっている首都圏から東北にいる母親を訪ねるのをちゅうちょし、「まだ、ひとりで大丈夫だろう」と思っていたこともあり、秋に母親を訪ねた時のショックは隠しきれませんでした。それでも山鹿さんは「私は心配ない。」と言い張ります。こどもたちは久しぶりに会った母親が、時間を間違えて夜中に近所のチャイムを鳴らすことや、自宅への100メートルの位置関係がわからなくなり警察に保護されるに及んで、かかりつけ医に相談し、彼女を認知症疾患医療センターに受診するように勧めました。

 しかし、どうしても同意を得る…

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