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もうほとんど、人生そのもの。仕事も遊びも、気がついたら全部が自転車でした|みんなの自転車 - roomie

福地敦

福地敦

自転車は、人生そのものだ。なんていうと、大げさに聞こえるかもしれない。

だけど、木村さんの暮らしぶりをお聞きすると、どうしてもそんな言葉を思い浮かべずにはいられません。

自転車を横に立てかけ、階段に腰かける木村さん

はじめて自転車屋さんで働き始めたのは今から11年前のこと。気づけば休みの日も夢中で自転車を組み立てる毎日。今は行けないけれど、たまに長い休みがとれれば、自転車の聖地であるポートランドへ。最近では、ちょこちょこバイクパッキングでの旅もはじめたそうです。

つまり木村さんは、筋金入りの自転車好きってこと。

その魅力をたっぷりと語っていただきました。

自転車に乗る木村さんの後ろ姿
木村さんの足元

名前(職業):木村 祐太さん(自転車屋さん)
年齢:31歳
愛車:GT(カスタムメイド)
自転車歴:約11年

自分でつくるから、好きになる

木村さんと自転車

木村さんが自転車にのめり込むようになったのは今から11年前。ちょうど20歳を迎えた年のことです。

きっかけは、本当に偶然なんですけどね。何気なく勤めはじめたアウトドアショップで、たまたま自転車コーナーを任されることになって。

そこから自転車にハマるまではあっという間。

数ヶ月後には、先輩からもらったお下がりのパーツでフレームから自転車を組み立てていたというのだから、自転車屋さんの仕事は、よっぽど肌に合っていたみたいです。

自転車に乗る木村さん

自分で組み立てた自転車って、買ったものとは愛着がぜんぜん違うんです。毎日乗っていると、自然と身体の一部のように思えてくるというか。

先輩たちに連れられてパーツ屋さんめぐりをするようになってからは、中古パーツの楽しさも知りました。掘り出し物の古着やレコードを探すのと同じ感覚です。

つまり木村さんにとって、自転車とは買うものではなく、つくるもの

これまで組み上げてきた自転車は「もはや数え切れない」のだとか。今も自宅にはフレームから組み上げた自転車が、なんと5台も並んでいるといいます。

今日はそのなかから「いま一番のお気に入り」という一台に乗ってきてもらいました。

フレームに一目惚れ。こだわり溢れるカスタムメイドの一台

カスタムしたGT

コンセプトは、ズバリ「普段使いの丈夫な自転車」。フレームに選んだのは、アメリカを代表するMTBメーカー・GTの「KARAKORAM」でした。

トリプルトライアングル”と呼ばれるGT特有のシルエットに一目惚れして選んだフレームです。

1991年くらいに造られた年代物なんですが、これ、元々は濃いオレンジにカラーリングされていたんですよ。

GT フレーム

確かによ〜く見ると、フレームのところどころにオレンジ色が残っている!

それが経年劣化でこんな鮮やかなイエローになるなんて。まさに時間がつくりだした、この世にひとつの美しさです。

GT タイヤ
GT 後輪

タイヤはフレームに合わせて、MTB用のやや太めのものをチョイス。

これくらい太い方が、乗り心地もやわらかで、普段使いには便利ですね。都内を走るには十分なスピードもでますし。

サドル
JANDD サドルバッグ

そして、サドルにはBROOKSのレザーサドルを。

レーザーサドルの良さは、使っているうちにどんどん味が出てくるところ

乗れば乗るほど、自分の身体になじんでいきます。サドル下にはJANDDのサドルバッグを取り付けました。鍵やライト、ちょっとした工具なんかを収納できて便利なんですよ。

前かご
前かごに付けたVoileStrapsのストラップ
VoileStrapsのストラップでタンブラーを固定

もうひとつの収納スペースは、フロントが浅めのカゴ。

深めのカゴだと、ちょっとベタ過ぎるかなって。それでも荷物置きには十分です。特に夏場は重宝しますね。リュックを背負っていると汗だくになってしまうので、荷物はここにドカッと置いています。

カゴにはスキーなどでもよく使われるVoileStrapsのストラップもつけていて。ちょっと工夫するとタンブラーも置けるんです。

自転車は、趣味というか仕事というか。その両方です

自転車のハンドルに手をかけながら話す木村さん

とにかく自転車のこだわりを語ってもらうと、止まることがない木村さん。

自分の自転車を組み立てるだけでは物足りなくて、友人の自転車をカスタムしてあげることも昔からしょっちゅうなんだとか。

そんな様子をみた友人が、ふざけて僕の名前『木村』から『WOOD VILLAGE CYCLES』なんて言いだして。自分でも不思議とその響きが気に入って、最近ではこの屋号で、個人的にカスタムメイドの自転車屋さんのようなこともしています。

自転車越しの木村さん

『WOOD VILLAGE CYCLES』の活動舞台はInstagram

木村さんのアップした写真をみて「こんな自転車をつくってよ!」と全国各地からDMが届くのだといいます。

おかげさまで、たくさんの人から声をかけていただいて。それぞれの好みを伺いながら、その人だけの自転車を組み立てていくことが、純粋に楽しいんです。

ただ最近、アタマが痛いのが、パーツの置き場所。倉庫としてアパートの一部屋を借りていたのですが、それでも足りなくなってしまったんです。なので最近、もう少し広い倉庫兼作業場に拠点を移しました。

木村さん

木村さんが目をつけたのは、元々中華料理屋さんだったという建物。

入り口なんかは、もうコテコテの中華料理屋さん。広さもあるので、作業場としてだけではなく、そこで自転車屋さんやいろいろな人が集う空間にできたらいいかな、なんて妄想しています。

どんな人が訪れてくれて、そこからどんな新しいつながりが生まれていくのか。考えるだけでワクワクします。

自転車とともに、どこまでも自由に

自転車を押す木村さん

自転車好きなら、きっと誰とでも仲良くなれる。そう笑って話す木村さん。

その言葉には、なんというか、ぜんぜん嘘がない。きっと心の底からそう思っていると感じます。

自転車好き同士なら、言葉が通じなくったって友だちになれますよ。そう思うようになったのは、ポートランドを旅行した経験が大きいかもしれません。

Wi-fiも持たない本当にノープランの旅行だったのですが、会う人会う人に良くしてもらって、街中の自転車屋さんを巡りました。

また、ポートランドのスケートパーク『バーンサイド』は死ぬまでに必ず行きたかったところ。そこでスケートボードをすることも人生の目標のひとつでした。

ちなみに、ポートランドでの思い出は、今日の一台にもしっかりと組み込まれているのです。

ハンドル
パーツ

このグリップは、ポートランドの中古パーツショップで手に入れたものです。ギアやシフトレバーもそうですね。

別に珍しいパーツというわけではないんですが、『ポートランドのあのお店で買ったんだ』という思い出だけで、自分には特別なんです。

木村さん

いつかまたポートランドへ。今度はこの自転車も持って行こう。愛車で巡ると、また違ったポートランドが垣間見られるかもしれない。

けれど世界は、まだまだコロナ禍だから、海外旅行はしばらくおあずけ。そこで木村さんが目を向けたのが、国内の自転車旅行でした。

いわゆるバイクパッキングです。この一台に、テントを積み込んで、まずは奥多摩湖でキャンプをしてみたんです。もう最高ですよ。自分がつくった自分だけの自転車に、好きなものだけを詰め込んで、好きなところへ行く。

この自由さが、自転車の醍醐味です。ああ、自分はこういう生き方がしたかったんだ、と改めて実感しました。

Photographed by Shinichiro Oroku

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福地敦

ライター・インタビュアー。俳句と林業、夜更かしが好きです。

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