Search This Blog

まだ遠い飲酒運転ゼロ、絶対に諦めん…事故10年経て亡き息子に誓う母 - 読売新聞

 高校生2人が犠牲になった福岡県粕屋町の飲酒運転事故で、長男の山本寛大かんたさん(当時16歳)を亡くした山本美也子さん(52)(福岡市東区)が、飲酒運転撲滅活動を行うNPO法人のホームページに2人へのメッセージを募る掲示板を開設した。事故から9日で10年となるが、新型コロナウイルスの感染拡大で、十分な活動ができない日々が続く。そんな中、2人の友人らが寄せた「飲酒運転ゼロ」への願いを、SNSを通じて広めようと取り組んでいる。(佐藤陽)

 <あれから10年、あの事故のこと、2人のことを忘れたことはありません。飲酒運転のニュースを見るたびに、悔しくて涙が出ます。いつか必ずゼロにできるよう、頑張ります!>

 <なかなかゼロにならなくて悔しいけど、確実に社会の意識は変わりました。絶対に諦めんよ。2人の思いを絶対に無駄にせんからね!>

 掲示板の名称は「みんな何してる?―お空に声を届ける掲示板―」。山本さんが代表を務めるNPO法人「はぁとスペース」のHP内に、1月25日に開設した。元同級生らに10年たった今の気持ちや当時の思い、飲酒運転に対する考えなどを書き込んでもらい、事故や犠牲になった2人のことを心にとめてほしいと企画した。

 事故後、山本さんは、ひつぎの中の寛大さんに「飲酒運転をゼロにする」と誓い、飲酒運転撲滅を訴えるため、北海道から沖縄まで飛び回った。学校や企業で重ねた講演は、これまでに1180回を超えた。街頭で「飲酒運転はなくならん。俺もしよる」と男性からどなられたこともあったが、「活動をやめたら飲酒運転が繰り返される」と歯を食いしばった。「多くの方に背中を押してもらいながら、一生懸命坂道を上ったような10年でした」と山本さんは振り返る。

 飲酒運転事故は、福岡県も含め、全国的に減少傾向にあるが、根絶にはまだ遠い。昨春以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、講演や街頭での活動はほとんどが中止に。事故から10年に合わせる形で今月7日に粕屋町で開かれる予定だった飲酒運転撲滅県民大会は、緊急事態宣言の発令を受けて、ウェブ開催になった。

 それだけに、現在はSNSでの交流や発信にも力を注ぐ。今回の掲示板も、「天国の2人と友人たちが集う場所に」との願いと同時に、「ドライバーにも読んでほしい」との思いが込められている。このため、誰でも自由に書き込めるほか、ツイッターやフェイスブックなどで転載できるようになっている。

 「コロナの影響で活動は一変してしまったが、できないではなく、できることを模索してきた」と語る山本さん。「2人の友達だけでなく、掲示板へのメッセージを読んだ多くの人に、それぞれの居場所から飲酒運転撲滅に向けた輪を広げてもらえたらうれしい」と話している。

 ◆福岡県粕屋町の飲酒運転事故=2011年2月9日、粕屋町の町道で、居酒屋で飲酒後に乗用車を運転した建設作業員の男が、私立博多高1年の山本寛大さんと同級生の皆越隼人さん(いずれも当時16歳)をはね、死亡させた。男は居眠りをするなど正常な運転が困難な状態で時速約75キロで走行していたとして危険運転致死罪で懲役14年の判決を受けた(確定)。

Let's block ads! (Why?)


からの記事と詳細 ( まだ遠い飲酒運転ゼロ、絶対に諦めん…事故10年経て亡き息子に誓う母 - 読売新聞 )
https://ift.tt/3rqcIJw


Bagikan Berita Ini

0 Response to "まだ遠い飲酒運転ゼロ、絶対に諦めん…事故10年経て亡き息子に誓う母 - 読売新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.