世界ランキング35位の錦織圭(日清食品)は249位で18歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)に3-6、4-6で敗れた。錦織はこの大会が復帰2戦目。4大大会の全仏オープン(27日開幕・パリ)に向け、次戦は21日からドイツで開催されるハンブルク・オープンに出場する。

約1年の長期離脱から復帰して2大会目の錦織が、18歳の新鋭ムゼッティに力負け。将来を嘱望されるイタリア期待の星から1度もブレークを奪えず「状態はまだ5、6割。リズムをつかむにはもっと試合が必要」と言うように、復活はまだ先だ。

ショットの精度や試合勘に課題を残す中で、収穫に挙げたのがサーブアンドボレーなどのネットプレー。「クレーコートでも交ぜていけると分かった」と、全仏オープンへ手応えをつかんだ。球足が遅くラリーが続く赤土の戦いでは、前に出る積極策はプレーの幅を広げる一手。昨年10月の右肘手術後、男子ダブルスで元世界1位のミルヌイ氏(ベラルーシ)を新コーチに迎え、サーブやボレーの改善を図る。

「今年は4大大会に照準を合わせるとか言ってられない状況なので、なるべく試合数をこなせればいい」。全仏直前の次週の大会にも出場し、実戦を重ねることで完全復活を目指す。