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こんなやつらがまだいたの? 南米の密林に潜む新種の動物たち - GIZMODO JAPAN

人間なんかに見つかってたまるもんか。

ジャングルの奥深くにひっそりと身を隠している動物たちから、こんな思いが伝わってきそうです。

この地球上にはおよそ870万種もの動植物が存在しているそうです。でもこれは人間が知っている数のみ。まだまだ未知の生物が、柔らかい苔の下やそぼ濡れたシダの葉の影に潜んでいるのかもしれません。

そうやって長年逃げおおせていた未知の生物が発見されると、「生物多様性ってすごい!」と思う反面、ちょっと複雑な気持ちにもなります。もしかしたらその動物にとっては、発見されないままのほうがよかったんじゃないかって。


ボリビアのアンデス山脈ふもとに位置するゾンゴ渓谷で、最近20種もの新しい生物が発見されたそうです。

環境保護団体「Conservation International」が派遣した生物学者チームが入念にジャングルを探しまわった結果、長年棲息が確認できていなかった超珍しい種にも出会えたのだとか。

筆頭研究者のTrond Larsen氏によれば、

これらの発見は14日間にわたって行われた集中的なフィールドワークの賜物です。

ボリビアの首都・ラパスにほど近い環境でこれだけ多くの新種が発見され、絶滅したと考えられていた種も再発見されたことは素晴らしい成果であり、環境保護を盛り込んだ持続可能な開発がいかに長期的な生物多様性の保護につながるかを物語っています

と語っています。

ではさっそく地球のこの場所にしか棲息していない超レアな動物たちの姿をどうぞ。

(おそらく)世界一小さなカエル

Photo: Steffen Reichle via Gizmodo US

『ガリバー旅行記』のリリパット人になぞらえて「Lilliputian frog」と呼ばれる小さな小さなNoblella属のカエル。成体でも全長1センチしかないそうです。こんなにちっさい子、よくジャングルの中で見つけ出して写真まで撮れたなあ!

Larsenさんいわく、「森の中からカエルの合唱が聞こえてきたものの、近づいた途端にたち消えてしまい、ミニサイズとカムフラージュも相まって見つけ出すのは至難の業だった」そうです。ふかふかな苔の下によく潜んでいるのだとか。

愛国心の強いヘビ?

Photo: Trond Larsen/Conservational International via Gizmodo US

こちらはEutrachelophis属のヘビで、俗称「ボリビアの国旗ヘビ」。ボリビア国旗の赤・黄・緑を体現しているからだそうですが、これまで1度も科学者の目に触れたことがなかった幻の存在でした。林床のシダの茂みをかき分けながらスルスルと移動しているところを研究者たちが発見。グラデーションがなんとも美しい…。

もっとマシな名前で呼んで

Photo: Trond Larsen/Conservational International via Gizmodo US

こちらは「Oreobates zongoensis」という立派な学名がつけられたカエル。ただし、20年以上前にたった1人の研究者が目撃したのを最後に、これまでどんなに探しまわっても再発見が叶わなかった珍種でした。

それがやっと今回の調査で発見され、その意表を突く真っ赤な目や、頭部から胴部にかけての黒々とした皮膚もバッチリ記録されました。

この赤い目のせいで「Devil-eyed frog(悪魔の目を持つカエル)」と呼ばれるハメになったそうですが、ちょっとかわいそうじゃないですか? 赤い目はきっとなにか生存に有利に働く秘密を隠しているはず。

カエルも木から落ちるのかな

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アンデス山脈ふもとの雲霧林に潜む超レアな「Yunganastes mercedesae」と名づけられたこのカエル。英名は第一発見者のMercedes S. Fosterさんにちなんで「Mercedes' robber frog」です。強盗ガエルだなんて乱暴な印象ですが、日本語でいえばコヤスガエル科に属しているようです。

「このカエルについて多くは知られていないんだ」とLarsenさんは語っています。これまでの目撃例はボリビア内で4回、ペルーで1回のみ。今回はどしゃぶりだったある晩にヘッドライトをつけて森に入ったところ、林床を歩いている個体を発見したそうです。

「外見からして木に登る習性を持っていると考えられ、このカエルが発見しにくい理由でもあるかもしれない」そうです。それと、もしかしたら木から落ちちゃったところをたまたま発見できたのかも、とも。

醜いちょうちょの子

Photo: Trond Larsen/Conservation International via Gizmodo US

森の宝石」といえばあの青い羽を持ったモルフォ蝶ですよね。この一見毒々しい毛虫は、そのモルフォ蝶の仮の姿です。珍種でこそないものの、モルフォ蝶の幼虫が観測されたのは今回が初めてだったのだとか?

青い色素のかけらもないこの幼虫が、やがて目の覚めるような美しい青い羽を生やして優美に舞うなんて。ドラマチックです。

98年後の奇跡

Photo: Yuvinka Valdez via Gizmodo US

生きた姿をお見せできなくてごめんなさい。

このジャノメチョウの一種である「Euptychoides fida」の標本は、1世紀近くにわたる探索の成果が実った証なのだそうです。ゾンゴ渓谷周辺でしか棲息していないと考えられており、最後に目撃されたのは実に98年前でした。今回の調査では、腐った果実を使って見事おびき寄せることに成功したそうです。

ぱっと見地味な印象ですけど、眼状紋の繊細さですとか、木肌を幾重にも重ねたような色合いですとか、見れば見るほどに自然の造形美に驚かされます。


これらの動物の存在を確認してしまった以上は、これらの動物がこれからも存続していけるような環境作りを志したいもの。日本に住んでいる私たちにとっても決して無関係な話ではありません。

今後もLarsenさんのいう「環境保護を盛り込んだ持続可能な開発」を進めていくうえで、脳裏に強盗ガエルのおとぼけ顔や、ボリビア国旗の色をしたヘビの姿を具体的に思い浮かべられたら、「環境保護」という言葉がより身近に感じられますね。

Reference: 小学館の図鑑NEO[新版]両生類・はちゅう類

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