「もうお金がありません」コロナで無職……外国人労働者の現実 - withnews

こんにちは。NPO法人(ほうじん)POSSEの岩橋(いわはし)誠(まこと)です。今日(きょう)は、新型(しんがた)コロナウイルス（coronavirus,Covid-19）のせいで、仕事(しごと)がなくて、お金(かね)がなくなって困(こま)っている人(ひと)の相談(そうだん)です。

いま、新(あたら)しい仕事(しごと)を見(み)つけるのは、大変(たいへん)かもしれません。そのときに、日本人(にほんじん)も外国人(がいこくじん)も使(つか)える国(くに)の制度(せいど)があります。

これまでもらっていた給料(きゅうりょう)の50パーセント（％）から80パーセント（％）を、国(くに)からもらうことができます。

働(はたら)いていた期間(きかん)や、もらっていた給料(きゅうりょう)で、もらえる金額(きんがく)が違(ちが)います。
パート、アルバイト、派遣(はけん)でも、もらえます。外国人(がいこくじん)ももらえます。

もらうためには、ハローワークに行(い)ってください。 でも、失業(しつぎょう)給付(きゅうふ)をもらうためには、働(はたら)いているときに、雇用(こよう)保険(ほけん)に入(はい)っていることが必要(ひつよう)です。
そして、会社(かいしゃ)が「やめてください」という前(まえ)に6カ(か)月(げつ)は日本(にほん)で働(はたら)いていないと、もらえません。（自分(じぶん)で「やめます」と言(い)った人(ひと)は、辞(や)める前(まえ)に1年(ねん)働(はたら)いていないと失業(しつぎょう)給付(きゅうふ)をもらうことができません。そしてもらうまでに3カ(か)月(げつ)待(ま)ちます）

だから、今年(ことし)の1月(がつ)や2月(がつ)に、日本(にほん)に来(き)た人(ひと)はもらえません。お金(かね)をもらえる期間(きかん)は、 日本(にほん)で働(はたら)いていた年数(ねんすう)で変(か)わります。90日(にち)もらえることが多(おお)いです。

お金(かね)を借(か)りるための方法(ほうほう)は２つあります。

①いますぐお金(かね)が必要(ひつよう)なときは「緊急(きんきゅう)小口(こぐち)資金(しきん)」でお金(かね)を借(か)ります。申(もう)し込(こ)みをして、1週間(しゅうかん)ぐらいでお金(かね)を借(か)りることができます。10万(まん)円(えん)まで借(か)りることができます。子(こ)どもの学校(がっこう)が休(やす)みになったので働(はたら)くことができなかったときは、20万(まん)円(えん)まで借(か)りることができます。新型(しんがた)コロナウイルスで、仕事(しごと)を休(やす)んで、給料(きゅうりょう)が減(へ)った人(ひと)が借(か)りることができます。仕事(しごと)をしている人(ひと)も、仕事(しごと)をしていない人(ひと)も、借(か)りることができます。

②仕事(しごと)がなくなった人(ひと)や、給料(きゅうりょう)が減(へ)った人(ひと)は「総合(そうごう)支援(しえん)資金(しきん)・生活(せいかつ)支援(しえん)費(ひ)」でお金(かね)を借(か)りることができます。
１人(にん)暮(ぐ)らしの人(ひと)は45万(まん)円(えん)、家族(かぞく)がいる人(ひと)は60万(まん)円(えん)まで借(か)りることができます。東京都(とうきょうと)は、申(もう)し込(こ)みから20日(にち)で借(か)りることができます。

「緊急(きんきゅう)小口(こぐち)資金(しきん)」も「総合(そうごう)支援(しえん)資金(しきん)・生活(せいかつ)支援(しえん)費(ひ)」も、 外国人(がいこくじん)でも借(か)りることができます。どんな在留(ざいりゅう)資格(しかく)でも、借(か)りることができます。
でも、お金(かね)は借(か)りるので、返(かえ)さなければいけません。だから、あなたがお金(かね)を返(かえ)すことができるかどうか、収入(しゅうにゅう)や貯金(ちょきん)などを調(しら)べます。
お金(かね)を返(かえ)し終(お)わるまで、日本(にほん)にいることができるかどうか、あなたの在留(ざいりゅう)期間(きかん)も調(しら)べます。緊急(きんきゅう)小口(こぐち)資金(しきん)は借(か)りてから3年(ねん)以内(いない)、生活(せいかつ)支援(しえん)費(ひ)は借(か)りてから11年(ねん)以内(いない)で返(かえ)します。

もし社会(しゃかい)福祉(ふくし)協議会(きょうぎかい)が「返(かえ)すことができないかもしれない」と思(おも)うと、借(か)りることができないかもしれません。

仕事(しごと)をやめて、新(あたら)しい仕事(しごと)を探(さが)している人(ひと)も、いま仕事(しごと)をしている人(ひと)も使(つか)うことができます。外国人(がいこくじん)も使(つか)うことができます。

もらえるお金(かね)は、住(す)んでいる場所(ばしょ)で違(ちが)います。例(たと)えば、東京都(とうきょうと)世田谷区(せたがやく)に住(す)んでいる人(ひと)は、53,700円(えん)までもらうことができます。 貯金(ちょきん)が十分(じゅうぶん)にあるときは、お金(かね)をもらうことができません。

外国人(がいこくじん)でも生活(せいかつ)保護(ほご)を使(つか)うことができます。でも、「永住(えいじゅう)」や「定住(ていじゅう)」など、限(かぎ)られたビザの人(ひと)しか使(つか)うことができせん。働(はたら)くビザで日本(にほん)にいる外国人(がいこくじん)は、使(つか)うことができせん。

いろいろな仕組(しく)みがありますが、もし困(こま)ったら、POSSEに相談(そうだん)してください。あなたのために、私(わたし)たちも考(かんが)えます。

生活に困った際に「使える」制度をいくつか見てきました。しかし、私が日々、日本で働く外国人の相談に対応して感じているのは、こういう制度は、外国人には本当に使いづらいということです。

まず、「緊急小口資金」などの支援策の名称。どの制度が、どんなことをしてくれるのか、日本人でもなかなか理解しづらいのではないでしょうか。しかも、これらの支援策についての情報は、ほとんど日本語でしか出されていません。日本語に不慣れな人にとっては、制度が存在していることすら、把握できないのです。

そしてなにより、「外国人」という立場の難しさです。例えば、最近増えている相談は、「今年1月、2月に来日したのに、4月からの授業がなくなったので解雇されました」という語学講師の方々です。
解雇されたときに使う制度は「失業給付」ですが、受給するには解雇される前に6カ月以上働いている必要があります。語学講師の方々は、就労期間が足りず、失業給付を受けることができません。そうなると、残りは借金しかありません。

というのも、日本で最後のセーフティーネットとされている「生活保護」は、永住者などしか受けることができないからです。この条件を満たすのは日本で暮らしている外国人の5割程度です（2019年6月末）。

つまり、よくまちで見かけるコンビニやファミレスで働く外国人や、農業や漁業、工場などを支えている外国人の多くにとって、「最後のセーフティーネット」は存在しないのです。

日本は特にここ数年間、「人手不足解消」の名のもとに、多くの外国人を受け入れてきました。しかし彼らが生活に困窮した際に助けられる制度は整っているとは言えません。

新型コロナウイルスではこうした問題も明るみになりました。国籍に関わらず、日本で暮らす誰もが、生存を脅かされない国をどうしたら再構築できるのか、まさに今から、社会で考えていけたらと思います。

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April 10, 2020 at 09:29AM
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